ナレーションを直す

ElevenLabsの誤読を1語だけ直すには?部分再生成と修正版の書き出し手順

AIナレーションの誤読1語や書き換え1文を直す手順。保存済みプロジェクトでの再生成、無料リトライの条件、再書き出し、Audacityでの無料差し替え、商用利用の注意を整理しました。

PR:Tools in ContextはElevenLabsの独立したアフィリエイトパートナーです。この記事の紹介リンク経由で有料プランを契約・購入すると、運営者が報酬を受け取る場合があります。Audacityは紹介報酬の対象ではありません。

解説動画や商品紹介動画のナレーションはほぼ完成しているのに、製品名を1か所読み間違えている。あるいは、クライアントから1文だけ文言変更が入った。こんなとき、全文を生成し直すと、全体のテンポを聞き直す手間が増え、クレジットの消費も増えるおそれがあります。この記事では、良いテイクを残したまま、修正済みの音声ファイルを映像に差し替えるところまでを順に説明します。

まず自分の状況を確認する

手元にあるもの おすすめの方法 AI生成は必要か
ElevenLabsのStudioに保存した元プロジェクト 未変更の句を選択再生成。文言変更時は対象段落の生成範囲を確認する(ルートA) 必要。文言変更は段落単位の生成になる場合がある
書き出したMP3/WAVだけ(Studioプロジェクトなし) 正しい音声があればAudacityで差し替える(ルートB) 正しい音声があれば不要
書き出し音声だけで、新しい語の正しい音声もない 短い差替え用フレーズを生成してからルートBへ 必要

書き出したMP3を取り込んでも、元の編集可能な合成状態は復元されません。その場で直せるのは、元のStudioプロジェクトが残っている場合だけです。

合成音声のナレーションを作るなら、ElevenLabsが選択肢のひとつです。StudioはFreeプランを含む全プランで使えるので、利用するだけなら有料化は必須ではありません。ただし生成には利用枠(クレジット)を消費します。商用利用の条件は後半で説明します。

ルートA:Studioプロジェクト内で直す

  1. 現在の書き出しファイルを保存しておく。 失敗したときに戻れる状態にします。
  2. 元のStudioプロジェクトを開き、誤りを含む段落を選択する。 部分選択での再生成には、その段落全体の音声がすでに生成済みであることが必要です。未生成だと、選択範囲を再生成するオプションは表示されません。
  3. 読み直しと文言の変更を分ける。 文言が同じで読みだけやり直すなら、原稿に触れず範囲を選びます。1語だけでなく、前後を含む句や文の単位で選ぶことが推奨されています。文言を変更する場合は該当段落を直しますが、その後のGenerateが選択した語だけを対象にするとは考えないでください。対象段落の生成と、原稿全体の再生成は別です。確定前に画面で対象範囲を確認します。
  4. 最初は声と設定を変えない。 次の節で説明する無料リトライの条件を確認してから生成します。
  5. 前後の継ぎ目まで通して聴く。 修正箇所の1文前から1文後まで再生します。継ぎ目が自然につながる保証はないので、耳で判断してください。

再生成でクレジットがかかる場合・かからない場合

Studioには最大2回の無料再生成があります。条件は、文字、割り当てた声、声の設定のいずれも変更していないことです。ボタンの表示で判別できます。Regenerate(再生成)と表示されていれば対象で、カーソルを重ねると残りの無料回数を確認できます。Generate(生成)と表示される場合は、クレジットが消費されます。

つまり、文字を変えずに読みだけやり直す場合は無料の対象になりえますが、誤字の修正、句読点の変更、言い回しの変更は対象外です。文字変更後のGenerateでは、選択した語だけでなく該当段落が生成対象になる場合があります。この無料条件を新規のText to Speech生成に広げず、確定前に画面の対象範囲と消費量を確認しましょう。クレジットの消費量が文字数と一致するとも限りません。

同じ名前を何度も読み間違えるなら、StudioのPronunciations Editor(発音エディタ)で発音ルールを追加する方法もあります。音素ルールは使えるモデルが限られるため、事前に公式ガイドで対応を確認してください。辞書を変更した場合の再生成が無料になるとは限りません。

版を比べてから、新しく書き出す

段落を選ぶと、左サイドバーにGeneration History(生成履歴)が表示されます。過去のテイクを聴き比べたり、More actions > Downloadでダウンロードしたり、Restore previous generation(以前の生成を復元)で前の版に戻したりできます。

注意したいのは、修正前にダウンロードした古いファイルには、修正が反映されないことです。修正後は、チャプターまたはプロジェクトを新しく書き出してください。プロジェクト全体の書き出しでは、未生成の段落があればその分が生成されるため、クレジットがかかる場合があります。確定前に消費クレジット数が表示されます。生成済みの段落には変換のコストはかかりませんが、修正を反映した新しい書き出しは必要です。

過去の書き出しは Export > History(書き出し履歴)にあります。これは段落ごとのGeneration Historyとは別のものです。段落の履歴は「その段落のテイク」、書き出し履歴は「ファイルとして出力した版」と区別してください。

新しいファイルをダウンロードして聴いたら、動画編集ソフトの音声を最新版に差し替える(またはリンクし直す)ところまでが作業です。修正したフレーズは長さが変わることがあります。カット位置、字幕、同期ポイントがずれていないか、映像と合わせて再確認してください。

ルートB:Audacityで正しい音声を差し込む

正しいフレーズの音声がすでにある場合(別テイクや、元のナレーターによる録り直しなど)は、AudacityでAIの契約なしに差し替えられます。AudacityはWindows、macOS、Linuxで使える無料の録音・編集ソフトです。手元にある音声は編集できますが、文字起こしから、聞いたことのない語を作り出すことはできません。

書き出し音声だけで、正しい差替え音声がない場合

元のElevenLabsの声(voice)、モデル、設定がわかるなら、Text to Speechを開いて同じ選択を再設定し、修正した句または文だけを入力して生成します。聴いて確認し、ダウンロードボタンから保存します(生成のHistoryのダウンロード項目からWAVも選べます)。そのファイルを、下の手順の差替え音声として使います。これは新規の生成なので、表示されるクレジット消費を確認してください。前述のStudioの無料リトライ条件は適用されません。

元の声や設定がわからない場合は、ナレーションを提供した相手に確認するか、修正テイクを依頼しましょう。MP3だけから設定が自動で復元されることは期待できません。合う声が見つからないなら、無理に1語をはめ込むより、より長い範囲を差し替えるか、新しく録音するほうがよい場合もあります。なお、同じ設定でも同じ読み・抑揚になるとは限りません。

後続のタイミングを動かさずに差し替える

以下のメニュー名はAudacity 4の公式マニュアルに沿っています。ショートカットはOSによって異なるため、メニューから操作してください。

  1. 元の音声ファイルは手を付けずに保管する。 元の音声と差替え音声をAudacityにドラッグして読み込み、それぞれ別のトラックに置きます。
  2. 差替えトラックの波形上をドラッグして、使いたい句を範囲選択する。 自然な間(ま)の位置で区切り、選択範囲を再生して確認します。次にEdit → Clip → Trim clip(編集 → クリップ → クリップをトリム)を選び、このトラックに残すのをその句だけにします。
  3. 元のトラックだけで、誤読している範囲をドラッグして選択する。 両端を聴いて確かめたら、Edit → Silence audio(編集 → 音声を無音化)を実行します。この操作は範囲を無音にするだけで、後ろのナレーションの時刻を動かしません。映像との同期が済んでいる場合は、削除して詰める方法は避けましょう。
  4. 差替えクリップの波形ではなくヘッダー(クリップ上部の帯)をドラッグして、無音にした位置に合わせる。 差替えは別トラックのまま、2つのトラックが同時に再生されます。音量をそろえ、前後2つの継ぎ目を聴いて確認してください。短いフェードを付けると、つなぎ目の唐突さを和らげられます。
  5. 差替え後の句が次の文に食い込む場合は、フレーズを見直すか、書き出し前に映像側のタイミングを調整する。 問題なければ、両トラックを含むプロジェクト全体を新しいファイルに書き出し、映像と合わせて確認します。

Audacityは個人・商用・教育のいずれでも無料で使えますが、取り込む音声そのものの著作権や権利が、Audacityを使うことで解決するわけではありません。

商用利用の権利について

クライアント案件や収益化する動画では、元の音声と差替え音声の両方の権利条件を確認してください。ElevenLabsのFreeプランで生成した音声は商用利用できません。商用利用は、有料プランで生成した音声で、必要な権利と利用条件を満たす場合に認められます。Betaサービスは対象外です。あとから有料プランにしても、Free時代に生成した音声が遡って商用利用可能になるわけではありません。どちらのルートでも、ボイスクローンは必須ではありません。料金やクレジット数は変わりうるため、契約前に公式ページで最新の内容を確認してください。

完了チェックリスト

  • 語や文が正しく、意図した通りに読まれている。
  • 修正箇所の前後2つの継ぎ目が自然に聞こえる。
  • 残したかった声のままになっている。
  • 字幕、カット、同期がずれていない。
  • タイムラインに入っているのが、最新の書き出し(古いダウンロードではない)である。

現行画面で確認したこと

2026年10月19日、FreeプランのStudioで短い架空原稿を使い、Eleven v4・標準音声Aliceの操作を確認しました。まず段落全体を生成し、その末尾の一文を選んで Regenerate selection を実行。Generation Historyに別の版が増え、この未変更テキストの再生成では画面のクレジット残量は減りませんでした。その後、新しい版を書き出し、MP3をダウンロードできました。

一方、同じ段落の一語を書き換えた場合は、一文を選択していてもボタンが Generate に変わり、実行後にクレジットが消費されました。語をハイライトしただけで、その語だけが生成・消費の対象になるとは判断しないでください。

これは1段落での画面操作の確認です。誤読の改善、継ぎ目の自然さ、複数段落の保持、有料プランでの挙動、一般的な消費率は検証していません。Audacityの実編集・試聴も未実施で、手順は公式マニュアルとの照合です。Freeプランで作った検証音声は非公開で保管し、商用素材として配布していません。

出典

料金・利用条件は変わるため、申込み前にリンク先の最新情報を確認してください。

← 記事一覧へ